KOBE GREEN TRAIL

神戸を中心とした自然散策・山歩きと日常の日記などを書いています。

トップページ トレイル日記> 『天滝』を観に、天滝渓谷へ

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毎日暑いので、どこか水と緑と涼があるところへ行きたい。
『それなら、渓流や大きな滝がある山がいい。』

そう思い、数年ぶりに『天滝』を観に、兵庫県養父市にある天滝渓谷へ、友人と共に行ってきました。

◎「天滝渓谷」「天滝」の場所アクセスおよびエリア情報等の備考は本文最後に記載しています。





「天滝」を目指して遊歩道を進む

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『天滝』へは、天滝渓谷の登山口から沢に沿ってつけられた道を歩いてゆく。
天滝は兵庫県一の大滝とあって訪れる人は多いから、登山道もよく整備されていて歩き易い。

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「滝」を目指して歩くわけですが、天滝渓谷の沢は落差が急なためその流れの多くが滝になっていて、『天滝』にたどりつくまでの間に大小たくさんの滝を見ることができます。その数は20いや30くらいはあるだろうか。数えたことはありませんが、またその時の水量によって出たり消えたりする滝がありますが、これほど多くの滝が一度に見られるのは面白い。

中でもいつも存在している滝や個性的な滝には名前が付けられていて、「しのびの滝」「岩間の滝」「連理の滝」「糸滝」「久遠の滝」「夫婦滝」「鼓ケ滝」などがあります。

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夏の天滝渓谷は、緑が多い。ここで見渡す風景の色の7~8割くらいはグリーンだ。写真を撮れば、自ずと緑色の写真が多くなる。

天滝渓谷には沢の上を行ったり来たり渡る木製の橋がいくつもあり、見た目にもコースの変化としても、これが面白い要素になっている。小さな橋の真ん中に立って周りを見渡せば、自分が緑の世界の中心にいるような気持ちになれる。

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緑色の植物ばかりですが、シダ類・コケ類・広葉樹などその種類は多く、崖に美しい花が咲いていたり、真っ赤な実をつけたヘビイチゴを足元に見つけたり、小さな発見がたくさんあります。

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そして木々はとても大きい。中には驚くほど高く太い木もあります。
あんなに高いところに枝葉を広げて、そこを通り抜ける光は緑色を帯びて降ってくる。

こんな緑いっぱいで気持ちの良い場所ですが気を付けておきたいのは、ウルシ科の植物やイラクサなど危険な植物もたくさんあって、元気いっぱいに枝葉を伸ばしているということ。植物には触れないようにするか、注意深くその種類を観察して歩くことだ。山道の狭い箇所では、こちらが避けなければ植物の葉が身体に触れるところもある。

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天滝渓谷はどちらかというと生き物の姿は少ないところですが、葉の裏とか朽木の傍とか、探せば小さな生き物がいろいろ見つけられます。

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こんな小さなカタツムリ。葉っぱの真ん中を少し食べて、そのまま眠ったのだろうか。

天滝渓谷でよく出逢えるのは、ヒキガエルとか、ニホントカゲとか、あとアオダイショウとか。
今回は大きなヒキガエルを見つけて背中をナデナデさせてもらいました。意外と逃げないんですよね。


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緑や生き物を観察しながら一本道を歩き続ければ、じきに小さな石像があるところに辿り着きます。
この場所のすぐ向こうに『天滝』があり、ここまで来ればすでに天滝の落ちる音が聞こえます。

そしていざ天滝へ。数年ぶりの対面でした。



「天滝」を間近で見る

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大きい。落差98メートルのこの大滝は、岩肌を走るようにして細かな白泡を立てて落ちてゆく。
下に行くほど5股・6股と流れが分岐する。ともかく、上から下までを1枚の写真に収めるのは難しい。

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天滝は、なるべく近付いて真横から見たほうがその姿や水の流れ方がよくわかる。
また天滝の真横に行くと、ここだけ気温が特に低いのがわかる。涼しい。

安全が確保できる範囲で天滝に近付いてみる。写真の青いシャツの人物は友人の姿。

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こうして滝と人物を一緒に眺めると、滝の大きさや人間の小ささ、自然のスケール感がよくわかる。
とはいっても、この滝は大きすぎて、上の写真では全長の半分くらいしか映っていない。

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友人は、天滝に圧倒されていた。これまでの人生でアウトドア・アクティビティーに無縁だった彼は、これが人生で2度目の山行、人生で見た2つめの滝。前回、彼の初山・初滝は『シワガラの滝』でした。

彼一人では絶対に行くことのない場所、見ることのない世界。しかしそういうものを共有するとき、彼はいつも何か新鮮な気持ちを感じてくれている様子。そうして自然や生き物を好きになってほしい。

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天滝のあのてっぺんのモシャモシャしたところは、どうなってるんだろう?いつか上から見てみたいね。
そんなことを二人で話して、しばし天滝の眺めと涼を楽しんだあと、来た道を戻りました。

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「ヒル」に注意

ここからは余談なのですが、今回私はうっかり「ヒル」に噛まれました。

以前は天滝渓谷はヒルはほとんどいないものなど思っていましたが、近年増加してるようです。

天滝を目指して歩いているときに、木の枝からヒルが落ちてくるのを何度も見たので、肌に乗ったり服から潜りこまれたりしないように気をつけていたのですが、天滝を見た後の帰り道、ふと足元を見るとロングパンツの一部が黒く濡れているのに気が付きました。

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上の写真で私の左足の膝下からパンツが黒く濡れているのが判りますか?生地の色の関係で赤くは見えないですが、これは水などではなく全部ヒルに噛まれたところから出た血液でした。

私は今回ロングパンツの裾をシューズに被せて、ソックスも履いていましたが、ヒルはシューズとソックスを踏破して、肌が露出しているところに到達してまんまと吸血していたわけです。

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車に戻ってから、とりあえずシューズとパンツとソックスを脱いで、ヒルが居ないかよく確認してから、サンダルに履き替えて肌を水で洗い流して、車の荷台でファーストエイドです。

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イソジン軟膏をすり込んで、絆創膏に抗生剤を塗布して貼り付ける。しかしヒルによる出血というのはなかなか止まらないので、絆創膏から血液が溢れ出てきます。これは拭いても拭いてもキリがないので、自然に止まるまで流血させておきます。そのままでは具合が悪いので、大きめにカットしたガーゼをテープで固定して、ガーゼに血を吸わせます。とりあえずこれで処置完了。結局出血が止まるまで今回は12時間程度かかりました。

ヒルの被害というのは基本的にはこれだけで、通常は痛みも痒みも炎症もないので、これ以上の心配はありません。ともかくヒルには噛まれないことが一番ですので、気をつけたいものです。



動画

下の動画は今回の天滝渓谷への山行のショートムービーです。
今回はまともな撮影機材は持たずに出掛けたので、iPhoneで撮影しました。


動画の前半はiPhoneアプリの「Instagram」の動画投稿モードで撮影したのでスクエア(正方形)フォーマットになっています。

下の動画は、天滝の滝見台で見つけた「尺取虫」の映像です。



忙しく移動していく姿が面白いですね(笑) 最後、落っこちたっぽいです。

以上、天滝渓谷への山行の記録と、おまけの映像でした。



「天滝」へのアクセス・エリア情報

「天滝」の場所

天滝・天滝渓谷の周辺の地図です。車でアクセスする場合は、天滝渓谷の途中まで続く舗装路を上っていくと駐車場があります。



「天滝・天滝渓谷」についての解説

兵庫県養父市にある渓谷および渓谷内にある大滝(落差98m)である。

天滝渓谷の登山道は、天滝から続く渓流に沿って整備されている。人里に近い低山のためアクセスは容易なほうで、コースも比較的歩き易い。常に緑と水音に包まれながらの森林浴が楽しめる。生き物の姿は少ない。

登山・ハイキングの初心者にもお勧めできるイージーなコースではあるが、大自然そのままのコースゆえに危険もある。危険植物や害虫などの予備知識を持ち、万全な服装・装備で出掛けたい。

基本的には歩き易い道が続き、靴はスニーカーなどでも歩けてしまうが、途中には滑り落ちればタダでは済まなそうな崖や、水が流れる濡れた岩場などもあるので、なるべくまともな靴を履いて行くことをお勧めしたい。

滝は水量のある時のほうが見ごたえがあるが、雨中・雨後の山行はお勧めしない。

備考

コースの難易度把握等の参考にしてください。☆評価のある項目は5段階評価(個人的見解)
  • 登山道の難易度・・・・・☆☆ (初心者向きではあるが、健脚向き) 
  • 歩き易さ・・・・・☆☆☆ (アップダウン、橋、階段など変化に富む)
  • 安全水準・・・・・☆☆☆ (一部に手すり・柵あり。誤って転倒・滑落等すれば死傷しうる箇所あり)
  • コースの特長・・・・・渓流に沿って作られた遊歩道で水音と森林浴が楽しめる。
  • コースの標高・・・・・標高400~600m程度 (低山のため緑が多い)
  • 所要時間・・・・・「登山口~天滝」、片道30分程度。 
  • 危険箇所や難所の有無・・・・・若干あり (崖・高所・狭い足場・塗れた足場・倒木・落石)
  • 適した服装や装備・・・・・靴は運動靴程度でも大丈夫。なるべく長袖長ズボンが良い。
  • 気を付けたいこと・・・・・イラクサなど危険植物がある。近年ヤマビルが出るようになり対策が必要。
  • 携帯電話電波状況・・・・・深い山中のため電波が入らない箇所もある、不安定。
  • お年寄り・子供の可否・・・・・十分な体力があれば可能。
  • 許容人数・・・・・3~5人程度のグループ可。コース大半が狭小路のため、大勢での行動は他の人に迷惑。数十人のツアー客などと出遭うとしばらく身動きが取れない。

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